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誰かのお役に立つ情報。

玄人志向のパーツは本当に危険(ダメ)なのか?

こんにちは。本日は自作PCをされる方向けの記事です。

弊社はちょっと特殊なパソコン(全部特注品!)を作って納品しているので、仕事柄様々なメーカーの商品やパーツに触れます。
そのパソコン達の使用用途も特殊で、基本的には年中無休で使い倒される運命にあるため簡単に壊れてはマズイのです。そういった事情から弊社では壊れにくいPCパーツはパーツごとに、「どのメーカー」の「どのモデルが良い」と把握しています。場合によっては他のシステム屋さんや商社の方にこっそり教えてもらっています。でもそういうパーツは基本的に高いのです。(高いものが絶対に良いとは限りませんが)

特注品のマシンはスペックは勿論、販売価格もびっくり価格(保守もありますので)です。しかし価格は誰が何と言おうと正義。安すぎると不安感が出ますが、安い方が売れるのは間違い無いのです。

弊社のマシンには基本組み込んでいませんが、少しでも安くと言われた時に活躍するのが玄人志向のパーツです。良いとか悪いとか賛否両論の玄人志向は実際どうなのか、という話を今回はお話ししようと思います。

玄人志向とは

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玄人志向と言えば昔はグラサンのおっさんのロゴで、いわゆるバルク品みたいな状態のものをサポート無し(あったのかもしれないけど)とか、保証は初期不良保証だけで売る代わりに安い、みたいなブランドだったと思います。その名の通り玄人向けでした。

電源、グラフィックボード、インターフェイスボードがメインですが、最近ではゲーミング方面に力を入れているのか,例のグラサンおじさんを見る機会は減り,代わりに強そうなアンドロイドくんがパッケージに印刷されているGALAKURO GAMINGなるブランドまであります。(そのブランドで椅子まで売っている!)ともかく自作をする人であれば何かしら見聞きしたことはあるはずです。

実際のところ「悪い」のか?

流石に玄人志向のゲーミングチェアは使った事がないのですが、電源やグラボなんかは一通り弊社で組み込み実績があります。

たとえば↑の電源。プラグイン方式ではなく配線が筐体から生えているオールドタイプです。見ての通り既にマシンは解体済みで、5年ほど年中無休で動いていたマシンから引っこ抜いたものです。そこまで負荷の高い仕事をさせていた訳では無いにしろ、マシンの入れ替えに伴って引き取ってきただけなので5年間ノントラブルで帰ってきたことになります。優秀!

他にも750Wの電源などを組み込んでいるマシンがあり、4年目に入るみたいですがこちらも今の所トラブル報告は上がっていません。音はお世辞にも静かとは言えないものが多いような気がしますが、弊社の場合そこまで大きな問題にはなりません。

お次はグラフィックボード。ハイエンドモデルの採用例はありませんが、RTX30系では〜3070,RTX20系では〜2060Superまでの採用例があります。GTXシリーズも過去数枚使っているような。
グラボもなかなか優秀で、今の所壊れたという話は弊社製マシンでは上がってきていません。このRTX3070搭載マシンの一例で、映像制作会社さんで納品3年目のマシンがありますがこれも特に問題なく使えているようです。
ちなみに「壊れた」ではなく「壊した」人を知っています。弊社製マシンに2Lのコーラをこぼして・・・(全損)

意外と壊れません

そこまで組み込んだ母数が多くはないので統計的なところで他社と比較はできないのですが、感覚としては大手メーカーの製品とそこまで変わらない故障率ではないかなと思います。勿論、工業製品なので当たり外れはあるでしょうが今の所弊社でハズレは引いていません。笑
玄人志向製のものは割と安く売られている商品が多いので自作PCで組み込むには良い一手ではないでしょうか。

ではでは。

NEC Aterm WX1500HPで5GHz帯だけネットが繋がらない【PCサポート】

こんにちは。
今回はPC修理ではなくPCサポート、ネット接続のお話です。

正直な所、この手のサポートは完全に私の守備範囲外(弊社製PCの修理しか基本しません...)なのでいつもなら「メーカーかプロバイダに電話してね!」で終わりなのですが、弊社のPCをお使いいただいている事業所さんからのヘルプで、各所のサポートに連絡したけど万策尽きたという事だったので他県へ出張サポートに行ってまいりました。(もちろん有料ですよ?)

問題のルータ

今回問題になっているのはNEC製 Aterm PA-WX1500HP。小さい。

事前情報では「Wi-Fiが繋がらない。繋がってもすぐ切れる。」というような事を聞いていたので、てっきり二重ルータになっているか、プロバイダの接続設定が吹っ飛んでるのでは?なんて予想をしていました。
しかし現場で確認したところ二重ルータではなさそうだし、回線契約はIPoEで提供されているIPv6になっていたのでそういうことでもなさそうです。(PPPoE接続の場合はプロバイダ契約時に送られてくる資料をもとにルータの設定が必要ですが、IPoE接続の場合は基本的に回線認証なのでユーザーによる設定は不要です。IPv6は基本IPoE接続です。)

症状を再現する

症状を再現したいので持ち込んだPCをこのネットワークに繋いでみます。すると5GHz帯のWi-Fi(11 ax)が確かによく切れます。というか停波します。その後数分するとまた電波は送出されるのですが、また停波の繰り返しです。2.4GHz帯は安定しているので状況から見るにDFSが動いているような気がします。

ご存じでない方のために説明するとDFSはDynamic Frequency Selectionの略称でして、簡単に説明すると同帯域でレーダー波を検出すると電波を停波させたり、チャンネルを移動させたりする機能です。
5GHz帯というのは主に旅客機・軍用機のレーダー、気象レーダーと干渉します。当然ながら航空機の安全や気象観測の方が重要ですから、原則この手のレーダーを検出した場合はルータ側が帯域を譲らないといけないのです。

こちらの事業所のすぐ近くには自衛隊基地があり、戦闘機やら何やらが頻繁に離発着するので恐らくそのあたりが影響しているのでは?と思います。

チャンネルを固定して解消

DFSが働くのは5GHz帯のうちW53,W56のチャンネルです。W52はレーダー波で使用されないので、5GHz帯で使うチャンネルを自動からW52へ固定します。

オートチャンネルセレクト→使用しない
使用チャンネル→W52

一つ注意点があるとすればW52で伝送する際の速度の理論値は、帯域幅80MHzの場合1200Mbps程です。今回のケースでは固定回線が1Gbps契約だったので問題ありませんが、引き込んでいる回線が2.5Gbpsとか10Gbpsということであれば、W52へチャンネルを固定するとWi-Fi 6の理論値2400Mbpsには遠く及びません。通常はW52以外のチャンネルも併用して伝送して、やっと2400Mbpsという理論値が出ます。
(そもそも本機ではWi-Fi6で最大1200Mbpsまでしか仕様上出ないみたいです。そういう超高速な回線を引いている人が本機を使うとは思えないのですが念の為。。)

おわりに

その後特に不具合なく動いているようです。よかったよかった。

Intel I226-Vコントローラの不具合を直す(応急処置の)方法

今回はマザーボードに搭載されているLANコントローラのお話です。
PC修理のカテゴリに記事を突っ込みましたが修理でも何でもなくただの応急処置です。

現在Intel製 I226-Vコントローラを搭載しているマザーボードで、ネットが瞬断,パケロス等の問題が発生しています。2.5GbEコントローラということもあり売れに売れているコントローラなので、ASUSだろうがGIGABYTEだろうが、MSI,ASRockだろうがこのコントローラを搭載しているマザーボードはメーカー問わずこの問題が発生中です。
切断されてしまうとイベントマネージャにID27とかID32が記録されます。

そういえばI225-Vの時も同様の問題があったと記憶しています。以前にはCPU発売時にドライバを配布し忘れたという余罪もありますので、どうもIntelはドライバ周りが弱い印象です。もっと頑張って!

さて弊社で販売しているマシンは基本ASUS製マザーを使用しているのですが、まだRaptor Lake搭載マシンは特注扱い(使用予定のマザーがいつまで経ってもリリースされず個人向けモデルに落とし込めていない)なので法人向けの特注マシンをほんの少し販売した程度。それでも不具合報告があちらこちらから上がって来ており、ドライバの更新を待ってくださいとは到底言える状況でもないので応急処置の方法を模索しました。結果、有効な方法が見つかったので書き記しておきます。

伝送モードと省電力設定を変更する

一番効果があったのはこの方法です。手順は以下の通り。

  1. デバイスマネージャから該当デバイスのプロパティを開く
  2. I226-Vのプロパティが開くので、詳細設定(Advanced)→「速度とデュプレックス(Speed&Duplex)」を選択→値を「2.5Gbps Full Duplex」へ変更。
  3. プロパティの電源管理(Power Management)から「省電力イーサネット(Energy Efficient Ethernet)」のチェックを外す→OKで終了し再起動

色々と検証しましたがこの方法で落ち着きました。少なくともASUS製マザー(Z790)を搭載している弊社製PCはこの方法でネットが瞬断されることなく”とりあえず”使えているようです。どうも1000,100baseで通信しようとすると今回の症状が出やすいようです。(もちろんそれだけではないのですが)それが電源管理的なところから来るのかは不明ですが、伝送モードを固定してあげることと合わせて省電力設定を切ってあげることで対処が出来ました。なんかIntelのドライバって電源管理でトラブってることが多い気がするなぁ。

その他の対処方法もある

先述した通り弊社で販売したPCは全て法人向けなので、そういった事情と100%どうにかなるという訳でも無かったので提案はしませんでしたがこういった方法も効果がありました。

  1. LANケーブルを交換する
  2. モデム(ONU/回線終端装置)あるいはルータと該当マシン間にスイッチングハブがある場合は他モデルへ交換もしくは外して、モデム/ルータから可能な限りLANケーブルを直通させる。
  3. 公式ドライバの過去バージョン、27.8にドライバを変更する。

1と2、これは割と初期の段階で気づいた(というよりはI225の時に発見していた)のですが、どうもコントローラと相性の悪いLANケーブルがあります。更にハブが悪さをすることもあります。これはそこのシステム次第なので何ともいえません。とはいえ基本的にドライバの方で不具合が修正されればそれで済むのと、先方の情シスさん的にもこんな大それた方法は(色んな意味で)出来ないし、絶対直ります!とはこちらも言えません。しかし弊社の検証ではこれで問題なく使えるマシンもありました。

3のインテル公式ドライバはバージョン27.8というものを使用します。

www.intel.com

絶対直るとは言えませんが、結構な確率で直るのでこれを対処方法としてもよかったのですがたまに改善しないマシンも存在しました。

おわりに

早いところIntelはバグフィックスしたドライバを配布しておくれ・・・。

Windows10で発生したVIDEO_DXGKRNL_FATAL_ERRORを直す【PC修理】

こんにちは。
今回は出張修理です。本来は弊社製のPCをご利用されているお客様で弊社(というか私の自宅)から車で片道2時間くらいまでの範囲でご利用されている場合(あとは気分次第)に限り出張修理をするのですが、お知り合いからのご紹介で,しかもめちゃくちゃ急いでいるという事だったので今回は出張修理をお引き受けしました。

個体情報

今回のお客様はとある映像制作会社さん。先方の社内だったので写真をバシバシ撮影する訳にも行かず、画像は↑のエラーコードの画像のみです。ご利用されているマシンの詳細はこちら。

  • メーカー:海外D社 
  • 個体情報:2020年製 タワー型デスクトップPC
  • OS:Windows10 Pro 64bit
  • CPU:Intel Core i7 10700K
  • メモリ:16GB×2 32GB
  • SSD:未確認
  • GPU:OEM RTX 3060Ti(最近のD社のゲフォ系はMSIがOEMしているものだったと記憶していますが間違っていたらごめんなさい)
  • 電源:未確認
  • 症状:Premiereを走らせるとブルースクリーンが出る

制作会社のマシンなので映像編集に使っているのかと思いきや、この子は利用用途が少し特殊で、この会社内にある配信スタジオで配信映像を送出したり、スイッチャーに素材出し(PremiereでV出ししているらしい)したりするために利用されているようです。
事前に聞いていたのはとにかく急いでいるということだったのですが、どうやらこれが動かないと配信が出来ないからということのようです。運の悪い事にオンエアは5時間後(!)責任重大です。

再現したので直す

確かにPremiereを起動させると「VIDEO_DXGKRNL_FATAL_ERROR」が出て来ました。
他のソフトを起動させてもストレステストを行っても再現しないので、原因はグラボではなくPremiere本体若しくはドライバでしょう。

本機にインストールされているNVIDIAのドライバーはNVIDIA Studio Driverのバージョン528.02でしたが、運良く本日528.24がリリースされたばかり。しかもバグフィックスの内容に目を通すと

Adobe Premiere Pro、Photoshop、および Lightroom が 528.02 で不安定になる [3940086]

となっています。これは当たりか・・・?
早速最新ドライバをインストールして1時間ほどPremiereを触りましたが大丈夫そうです。弊社の基準的にはもう少し検証したいのですがオンエアまで時間がないので、とりあえず本機を引き渡してオンエアに立ち会う形で様子見をしました。結果的には正常に動いてくれていたので一安心です。

まとめ

重要なシステムに組み込まれるPCには可能な限り壊れにくいメーカーのものを、そしてサブ(予備機)を用意していただけると安心かと思います。。

2023年3月17日追記:本ページで対処を行ったお客様とは別に、同様のエラーが別メーカーのPCで、しかもPremiereを使用していると起きるというご相談を先日頂きました。この方のケースではメモリ不足が原因だったのでPrへの割り当てメモリを減らすことで一次対応とし、その後メモリの増設を行うことで改善しました。

PXW-Z190で4K収録をする際のSDカード選び

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こんにちは。今回は映像屋さん向けのお話です。
弊社ではZ190を所有しています。ただ正直なところ,この片田舎では、4Kで撮影を求められることも納品することもほぼ無いのですが(それにZ190で吐き出される4Kの映像は使う場所を選ぶので...)、他社にこの子を貸し出すと「どこのSDカードなら使える?」と聞かれることがままあるのと、何らかのトラブルでいつも使っているSDカードが使えない(壊れた,壊した,持ち出し忘れた等々)ということも往々にしてあり得るので、適当なカードでも使えるのか検証したいと思います。

カメラ側の仕様

一度カメラ側の仕様についておさらいします。
Z190で言う「4K」とは下記の通りです。

  • 3840×2160
  • フォーマット:XAVC-L(XAVC Long)
  • コーデック:MPEG-4 H.264/AVC
  • ビットレート:VBR 最大150Mbps

4K収録対応カードは「SDXC(Class10,UHS-Ⅰ,U3)」となっています。
周波数(フレームレート)は最大59.94Pまで一通り選べますが4Kの規格的には59.94Pが標準なので弊社では特に先方からオーダーがなければ4Kは59.94Pで回しています。

仕様から考えるにビットレートの最大値が150Mbpsなので、SDカードに求められるスペックは“最低”書き込み速度で18.75MB/s程度の速度が必要なことが分かります。

“最低”書き込み速度と書いたのは言わずもがな、SDカードやパッケージに記載されている書き込み速度というのは“最大値”です。いくら最大値が優秀でも、平均あるいは最低速度がポンコツであれば当然書き込みが追いつかず収録事故が発生します。そういった問題があるために、こういったファイルベースのカメラで使用する記録媒体はメーカーが示している推奨カードの規格と、最低速度が重要です。

確実に使えるカード

Z190の上位機種であるZ280や、XDCAMシリーズ(円盤記録のENG系以外)の殆どの機種は基本的に記録媒体はSxS一択なので何も悩むことは無い訳ですが、SDカードしか使えないZ190で使って絶対大丈夫ということになっているのはSONYのTOUGHシリーズです。(これを使っていないと何かあった時に責任問題になりかねないので)弊社でも使っています。(SxSに比べれば)安い。

Eシリーズはスペックが多少劣る分、黄色いGシリーズよりも若干安いのが特徴。これも弊社で使っていますが特に問題は起きていません。

他社製カードを検証する

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ここからは実験です。写真の通り4K 59.94P,最大150Mbpsでカメラを回し、記録先として他社のカードを使ってみます。

この検証では10分間連続でRECし、バッファエラーが出たり,RECが止まらなければ良しとします。ビットレートがVBR(可変)なので、高めのビットレートを出すためにPCモニターに点滅の激しい音楽ライブの映像を出し、カメラはそこに向けて録画をすることにしました。(本当は海にでも行けば良かったのですが寒いので..)

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弊社に転がっていたSDカードを数枚検証します。実際問題、この検証で使えたとして今後も使うかどうか聞かれと怪しいカードが沢山ありますね。。

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大体どこの制作会社にもあるお馴染みSandiskのExtreme PRO。UHSスピードクラス3,ビデオスピードクラス V30で読み込み最大170MB/s、書き込み最大90MB/sとなっているので、SDアソシエーション(SDカードの規格を策定している団体で、速度関係の規格を乱立させユーザーを混乱に陥れている主犯)の規格的には最低書き込み速度30MB/sが保証されています。

結果:使えました。
後日仕事で使いましたが3時間連続RECも出来ました。

※ただし昔のロットの本カードはZ190と相性が悪く、収録どころかフォーマットも出来ない(=カメラ側に認識されない)と公式にアナウンスされているのでお気をつけください。弊社のこのカードは2022年夏頃に購入したもののようなので、現在流通しているものは大丈夫だと思いますが念のため。

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多分GH4か何かで4K収録する案件で購入したTranscendのカード。その後は弊社のNXCAM(2年くらい前に全機退役)で使用していました。

UHSスピードクラス3、読み込み最大95MB/s,書き込み最大60MB/sです。ビデオスピードクラスに関する記述がありませんが、一応規格上は30MB/sの書き込み速度が保証されているものに入るはず。当時はこれでもかなり高速な部類だったので価格はそこそこお高かった気が。

結果:使えました。
後日仕事で1時間連続RECをしましたが問題ありませんでした。

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今度はサンディスクのSDHC。最後にいつ使ったか分からない。

結果:使えません。

※4K収録時、Z190はSDHC非対応なので当然の結果です。今までZ190にSDHCを差したことすら無かったので試していませんが仕様上,プロキシ収録用ならSDHCでも使えるそうです。

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お次はトランセンド製のSDXC出始めの頃のカード。スピードクラス10です。それ以外の規格についての表記はありません。(規格が乱立する前の時代の代物ですので...)
この子もまた、最後にいつ使ったのか分からない。

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フォーマットしていたら
メディア(A)は非保証メディアです
とカメラに怒られました。確かに推奨スペックのカードではないけど、カメラ側で判断出来るんですねぇ。優秀。

結果:途中でRECが止まりました。

しかし何度か試すと10分間止まらずに使えることもありました。ビットレートの可変具合によるものではないかなぁと思います。つまり書き込み速度がギリギリってことですね。

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こんな危なっかしい方法は誰も仕事で使わない(少なくとも私はやらない)と思いますが、SDXC規格のマイクロSD(サンディスク製Ultraシリーズ)を変換アダプタを使ってカメラに差し込んでみます。多分GoProがHero3とか3+の時代にGoPro用に使っていたマイクロSD。

結果:使えません。

カメラから見えずフォーマットすら出来ませんでした。
UHS-ⅠですがUHSスピードクラス1なので推奨カードの基準を満たしていないという点がダメなのか、どこが作っているのかよく分からない変換アダプタが悪いのかは不明です。しかし先ほどの古いトランセンドのSDXCが一応認識されていたことを考えると変換アダプタが悪いのかなと思ったり。

まとめ

割と安物のSDカードでも要求規格さえクリアしていれば大丈夫でした。
安牌はSONY製カード、どうしてもSONY製カードを使えない理由があるのならサンディスクのエクストリームプロが良いのでは無いかなと思います。

出先でトラブった時は家電量販店がないと厳しいかもしれません。
一応近所のコンビニを数軒見て回りましたが、コンビニ大手(セブンイレブン、ファミマ、ローソン)で取扱のあるSDカードの多くはキオクシア製(旧東芝)で、殆どのお店が16GB(と、32GBがある店もあった)のSDHCカードしか置いていません。速度云々以前にZ190では使えません。

メディアは必ず予備の予備まで持っておけ、ということですね。

施工不良によるエアコンの水漏れもある

こんにちは。

これはまだ私が一人暮らしをしていた時に借りていたアパートでのお話です。こういう事もある、という事で記事にしておきます。

新品のエアコンなのに・・・

元々このアパートには”設備”としてエアコンが取り付けられており、年式はもう10年以上前の富士通製エアコンでした。
入居時にエアコン内部もクリーニングしてくれていたのでしばらくは特に不便なく使えていたのですが、ある日を境にうんともすんとも言わなくなりました。故障です。

管理会社に電話をしたところ、真夏にも関わらず翌日に設備屋さんと管理会社の方が来てくださり、直しても(年式的に)またいつ壊れるか分からないから〜と気前よく三菱電機製の霧ヶ峰を取り付けてくださいました。それもこれも、実はこの物件は管理会社が自前で持っている物件なのとその管理会社は基本的に地域で一番大きな建設会社なので真夏でもエアコンと設備屋さんを手配できるのです。

無料で直ってよかった〜と思ったのも束の間。

水漏れ。
エアコンが新品に変わって1週間のことです。エアコンの外装の繋ぎ目から水が滴っています。(写真では見えませんが)
すぐに管理会社に連絡すると、この間来てくださった設備屋さんがすっ飛んで来てくれました。

ちなみにこの日は外気温34度くらいの日だったと記憶しています。
そのためエアコンを止めると途端に室内がサウナになってしまう!ので、電源オンのまま原因究明。この時初めて気が付きましたが、エアコン付近のクロスがびしょびしょに濡れており、その中の断熱材までびしょ濡れとのことでした。(もしここが自分の持ち家だったら泣いてますよ。)
そして3時間ほど粘ってくれたおかげもあり原因が判明。

どうやらこの大きすぎる配管用の穴が悪いようで。誰がどの段階で開けたものなのかは?だそうですが少なくとも建てた時では無いらしく、まぁ古いアパートですから歴代の住民の誰かが自前でエアコンを交換して、その時に入った変な業者が空けたのでしょう。

ウレタン吹きつけで解決

この大きな穴のせいで水が漏れてくるメカニズムは大まかに説明するとこうです。

  1. 内部を通っている冷媒管が(断熱を巻いているのですが)、穴が大きすぎるがために外気に触れる面積も増え、熱交換器で発生しているドレンとは別に結露水ができてしまっている。
  2. この居室は第3種換気(吸気は自然吸気、排気は機械排気)で基本「負圧」の状態。自然吸気口の他に吸気口になってしまうのはこのエアコンの穴以外になく、ものすごい勢いで外気が侵入しているため、冷媒配管を伝い水がある種逆流して居室に侵入。その過程で断熱材やクロスも濡らした。
  3. しかしながら配管外で発生している結露水とは別に、室内機で出来たドレンも漏れている様子。これはどうやら部屋の広さに対してエアコンの能力が追いついていないことと、2の負圧状態のせいで室内機外に微量漏れている。(この居室は7.5畳。1Kのお部屋なのでKの部分も冷やしていることと、築30年そこそこの木造アパートなのでそこまで気密性が無いことを加味すると、新しく取り付けてもらった6畳用の霧ヶ峰では力不足なのでしょうね。)

つまるところ、この穴を塞げばとりあえず水漏れはどうにかなるので「ウレタンを吹きつけましょう」ということになりました。それにしてもこの穴、私(男)の腕が2本入るサイズです。一体何を考えてこの穴を開けたのでしょうね。。

後日ウレタンを吹きつけてもらってから水漏れはぴたりと治りました。
次回エアコンを交換する時ってこのウレタンはどうやって処理するのかなぁと少し気になりますが、、ドレンの詰まり以外でエアコンから水漏れしている場合はこのような施工不良もあるんだなぁと、頭の片隅に置いておきます。

エンストするホンダ EU9iGB(エネポ)を直してみる

こんにちは。そしてあけましておめでとうございます。今年はちょいちょいブログを更新していきたいと思います。

さて先日,近所のおじいちゃんが我が家に突然駆け込んできました。

「あんちゃん機械得意だべ?うちの発電機の調子がいぐねぇ(良く無い)から見てほしいだげど。銭は出すかっよ。」

という事だそうで。私の本業は映像屋とパソコン屋なので整備士でも何でも無いのですが、急がないし直らなきゃ直らないで良いと言ってくれたし、忙しいわけでも無いので断る理由もなく。とりあえず引き取ってみる事にしました。

ホンダ EU9iGB

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後日おじいちゃんの作業場(何かの職人らしく隣町に作業場がある。すごい。)から宅急便で発電機が届きました。1台が故障しているもの、もう1台は正常に動いているものです。(正常に動いている状態が分からないと直ったのか何だか分からないので。おじいちゃんが2台所有していて良かった...)ちなみに後日判明しましたが宅急便で発電機は送れません。

さててっきりガソリンの発電機が来るかと思っていましたが送られてきたのはホンダ製のEU9iGB、通称エネポ。この機種は何度か映像の方のお仕事で借りて使ったことがあります。

ご存知の方もいるかと思いますが一応説明すると、エネポはカセットボンベを使用する発電機でこれが最大のセールスポイントです。
今から約10年ほど前に発売されたエネポ、発売当初はマーケティングに相当難儀したのか,フライヤーや店舗に置かれた写真にはお姉さんがこれ(エネポ)を公園かどこかに引いていってその場でホットサンドを焼くという、あまりにも無理があるシチュエーションが写されていたと記憶しています(笑)

あれから月日は流れ大規模災害が頻繁するにつれて「燃料がガスであるが故にガソリンのように発電機内で腐ったり詰まったりせず、そのため長期保管されがちな防災用に向いている」という点が評価され、それなりの数が行政や企業,防災意識の高い個人向けに売れていったという経緯があります。

修理開始

とりあえずホンダ公式から落とした本機の説明書を読んで、ネットの海でガス発電機が如何にして動くのかをざっくり下調べしたので修理を開始します。ここから先は自己責任です。変なことをすると修理中,修理後にガス漏れ等々で最悪人が死にます。お気をつけください。

不具合の内容はおじいちゃん曰く「エンジンが掛かってもすぐエンストする」だそうです。
私の方でも確かに症状を再現できました。エンスト時はオイル警告灯が点灯しています。

ひとまずメンテナンスカバーを開けてオイル交換。
1ヶ月ごとにオイル交換をしていたそうですがそれなりに汚れていますね。というか写真では見えませんがスラッジが多い気がします。250mlしかオイルが入らないのでオイルが酷使されてしまうのでしょうね。

ホンダ ウルトラG1を近所のホームセンターで買ってきたので規定量の250mlを入れます。
(少し前までは青い缶だったと思うのですが、デザインが変更されたのかしら?)ただフィラーキャップの位置が悪くめちゃくちゃオイルが入れづらいので、ダイソーなどで売っているマヨネーズやソースを入れるボトルを買ってくるか、ちゃんとしたオイル差しを使えば本体を汚さずにオイル交換が出来ます。我が家には幸いだいぶ昔に使っていた原付のオイル交換用のオイラーが転がっていたので助かりました。

ところでこのオイルフィラーキャップの位置はどうにかならないものですかね...折りたたみのドレンレールとか、そういう機構があるとキレイにオイルが抜けるのになぁ。

フィラーキャップのゴムパッキンがボロボロだったので交換。ちなみにフィラーキャップの締め付け規定値は2.3Nmで、これ以下だとオイル漏れの原因となるそうです。流石にトルクレンチは持っていないので適当にレンチで締め付けましたが、お手軽な発電機感を醸し出す割に制約が多いですね...。

ついでにメンテナンスされているのかどうかも不明なエアフィルター(エレメント)も交換します。

この時気づきましたが出力周波数が関東なのに60Hzになっていたので50Hzに変更しておきます。おじいちゃんにも聞きましたが特に意図したものではないそうなので。

私は事業者アカウントを持っているのでモノタロウで注文しましたが...一般の方はHonda Power Products 認定販売店なるところでパーツを発注されると良いと思います。(多分売ってくれると思います)

このエアフィルターはいわゆる湿式なので新品のエンジンオイルを染み込ませてから取り付けます。

ここで一旦動作確認をしましたが状況は変わらず。オイルの警告灯だけは消えました。もう少し深掘りします。

本体右上部、カセットボンベを設置するところに「プラグ点検口」なるものがあったので開けます。(説明書にはこの点検口に関する記載がありません)
ところがネジ一本で止まっているだけのフタなのに何故か開かずあれこれ試したら、ボンベを固定する機構のレバーが「解除」の状態だとこのフタは取れないようです。なのでレバーを「固定」の位置にするとフタが取れます。

プラグコード発見。
それにしても点検口と言いつつめちゃくちゃ狭い上にプラグまでが遠い!ホンダさんちょっと!(恐らく説明書に記載されていないということはここを開ける時はもうエンドユーザーが行う整備では無いのでしょう)

点検口が狭い&私の指が太いせいで力が入らずプラグコードがなかなか抜けない。。
格闘すること20分。プラグ本体が登場。

庭先の様子がいつもと違うのでパトロールしに来た野良猫の「からし」(と勝手に呼んでいます)。エサをあげている訳でも何でも無いのですがスリスリしてくる甘えん坊の1歳。

16mmのプラグレンチを突っ込みます。

しかし手持ちのプラグレンチではトルクが足りないのかプラグが固着しているのか、とにかくプラグが回らないのでプラグの焼け具合が確認できず。

多分こういうレンチならなんとか回せたと思われ。

無理に触るとエンジンを壊す事になるしなぁ...と思いつつ、1時間あれこれ粘りましたがダメなので一旦考えることに。

考えた結果プラグは後回しにすることにしました。代わりに一度外装をバラしてレギュレータ(ガス調圧機)にくっついている不純物キャップを確認することにしました。
外装を止めているネジはプラスネジ、六角ネジ(穴付き)、六角ネジ(10mm)が混在しています。

特に10mmの六角ネジは数こそ少ないのですが少し奥まったところにあるのが殆どなのでT型レンチがあると便利です。
目に見えるところのネジを外してもなぜか外装が外れず悩みましたが、正面パネルの停止と始動を操作する丸いレバーの蓋を外すと隠しネジがありました。

当然ながら前面パネルを取り外したところでインバータと思われるユニットやエアクリーナボックスが邪魔でプラグにレンチを突っ込むのは無理そう。
カセットボンベを設置する機構は取り外さなかった(ボンベを設置する機構にも六角ネジがあるのですが、左側ボンベ奥の六角ネジを外すためにはラチェットが必要そうだったので諦めました)のですが、これさえ外せれば恐らく何とかしてプラグを回せた、、はず。

マフラーの上の辺りにレギュレータやミキサがと思われるものがありました。
配管が2本接続されているちょうど下のところに六角ネジが2つあります。これを外すとそれが不純物キャップです。当然ですがここをいじると内部に残留しているガスが漏れ出てくるので十分に注意します。(なのであまり触りたくなかった)

わーえらいことになっていました。キャップがこの状態だとレギュレータの中身は...大変なことになっていました。可能な限り綺麗にします。(画像を撮る余裕がありませんでした...)

家に転がっていたパーツクリーナを使いました。

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この辺りは詳しくないので間違っていたら申し訳ないのですが、この”不純物”は恐らくタールだと思われます。液化ガスを精製する際にタールが発生し液化したガスに混じるため、精製時とガスをガスボンベに充填する前にフィルタ等を通して取り除かれているはずなのですが、どうしても微量に残ってしまうもの、のはずです。これは仕方ないそう(つまり仕様)です。

より大型のガス機器や設備には大抵ドレンコックが存在していてタールを簡単に抜けます。そこまで大量にガスを消費する発電機ではないから?なのかは不明ですが、エネポはここまで分解しないとダメというのは設計としてはちょっと良く無い気もするし、しかし操作を誤れば,あるいは使わずともそういう機構が存在するだけでメンテを怠るとガス漏れ事故が起こる箇所でもあるので整備士の方が食いっぱぐれないためにも仕方ないのかなと思わなくもないです。

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そして重要なのはどうやらガスボンベ(の充填元が重要なのだと思われるのですが)のメーカーによって“不純物”の許容量が違うようです。ホンダではエネポの他にガス耕運機 ピアンタFV200というガスエンジン搭載の製品があり、ホンダではこれらを動かす際に使用するガスボンベを「東邦金属製」に限定しています。(おかげで町中のホームセンターとドラッグストア,スーパー等8軒も回ってやっと見つけました。ウエルシアで。)

ガスボンベはJISによって規格化されているので他社製でも基本、物理的には使用できます。しかし指定メーカーのものではないガスボンベを使うと先の不純物トラップとレギュレータがタールまみれになり動作不良を引き起こします。正確には東邦金属製でも長い期間使っていればいずれ不純物でタールまみれになるので、そのスピードが指定メーカー以外だと速いということになります。

後日、発電機の修理なんかをしている方それとなく聞いたらどうもこの手のガス発電機と特に相性が悪いのはニチネン製のマイ•ボンベだそうです。

とは言え東邦金属製のボンベは(少なくとも私の街では)なかなかお目に掛かれません。でもどうやら東邦金属がOEMしているボンベはままあるそうで。

  • イオン系「ファミリーカセットボンベ」
  • ジョイフルホンダ「シャトルJH」
  • ニトリ,コメリ「シャトルカセットボンベ」
  • ダイエー「デイリーユースボンベ」

などなど。大抵これらのOEMボンベにも東邦金属純正と同様ボンベの外装にホンダ製品が動くと書いてあるのでそれが目印です。

ちなみにガスボンベで動く発電機は他に三菱がOEMしてヤマハやデンヨーなどでも販売されているMGC900GBがありますが、これはイワタニ製のガスボンベを推しているそうです。この機種でもやはりニチネン製のガスとは相性が悪いそうな。

このことからエネポでどうしても他社製ボンベを使うのならイワタニにしたほうが良さそうです。それ以外はエネポの寿命を削っていると思って使う必要がありそうですね。

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すみません。話が逸れました。

レギュレータの清掃が終わったので諸々を組み付けます。外装をバラした時から「組み付ける時はどうすっかなぁ」と悩んでいたものが一つだけありまして...。

これは前面パネルに運転状況を表示するLEDユニットです。しかしこいつに接続するケーブルがものすごく短い!その上ユニット側の端子が奥まっているので更に遠い!側面からでは尚のことよく見えない!という困った子。

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周波数の信号を飛ばしているケーブルもあるので作業スペースはこれくらいしかありません。30分ほど悩みましたが、ここは先にショートドライバを使ってユニットを取り付けた後、ケーブルを手探りで差し込むことでなんとかなりました。

 

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やっと組み上がりました。問題なく始動して一安心です。丸一日かかってしまいました。

おわりに

おじいちゃんには大変感謝されました。めでたしめでたし。私にもお金があったら防災用にエネポがほしいなぁ。