こんにちは。
今回はPC修理ではなくPCサポート、ネット接続のお話です。
正直な所、この手のサポートは完全に私の守備範囲外(弊社製PCの修理しか基本しません...)なのでいつもなら「メーカーかプロバイダに電話してね!」で終わりなのですが、弊社のPCをお使いいただいている事業所さんからのヘルプで、各所のサポートに連絡したけど万策尽きたという事だったので他県へ出張サポートに行ってまいりました。(もちろん有料ですよ?)
問題のルータ
今回問題になっているのはNEC製 Aterm PA-WX1500HP。小さい。
事前情報では「Wi-Fiが繋がらない。繋がってもすぐ切れる。」というような事を聞いていたので、てっきり二重ルータになっているか、プロバイダの接続設定が吹っ飛んでるのでは?なんて予想をしていました。
しかし現場で確認したところ二重ルータではなさそうだし、回線契約はIPoEで提供されているIPv6になっていたのでそういうことでもなさそうです。(PPPoE接続の場合はプロバイダ契約時に送られてくる資料をもとにルータの設定が必要ですが、IPoE接続の場合は基本的に回線認証なのでユーザーによる設定は不要です。IPv6は基本IPoE接続です。)
症状を再現する
症状を再現したいので持ち込んだPCをこのネットワークに繋いでみます。すると5GHz帯のWi-Fi(11 ax)が確かによく切れます。というか停波します。その後数分するとまた電波は送出されるのですが、また停波の繰り返しです。2.4GHz帯は安定しているので状況から見るにDFSが動いているような気がします。
ご存じでない方のために説明するとDFSはDynamic Frequency Selectionの略称でして、簡単に説明すると同帯域でレーダー波を検出すると電波を停波させたり、チャンネルを移動させたりする機能です。
5GHz帯というのは主に旅客機・軍用機のレーダー、気象レーダーと干渉します。当然ながら航空機の安全や気象観測の方が重要ですから、原則この手のレーダーを検出した場合はルータ側が帯域を譲らないといけないのです。
こちらの事業所のすぐ近くには自衛隊基地があり、戦闘機やら何やらが頻繁に離発着するので恐らくそのあたりが影響しているのでは?と思います。
チャンネルを固定して解消
DFSが働くのは5GHz帯のうちW53,W56のチャンネルです。W52はレーダー波で使用されないので、5GHz帯で使うチャンネルを自動からW52へ固定します。
オートチャンネルセレクト→使用しない
使用チャンネル→W52
一つ注意点があるとすればW52で伝送する際の速度の理論値は、帯域幅80MHzの場合1200Mbps程です。今回のケースでは固定回線が1Gbps契約だったので問題ありませんが、引き込んでいる回線が2.5Gbpsとか10Gbpsということであれば、W52へチャンネルを固定するとWi-Fi 6の理論値2400Mbpsには遠く及びません。通常はW52以外のチャンネルも併用して伝送して、やっと2400Mbpsという理論値が出ます。
(そもそも本機ではWi-Fi6で最大1200Mbpsまでしか仕様上出ないみたいです。そういう超高速な回線を引いている人が本機を使うとは思えないのですが念の為。。)
おわりに
その後特に不具合なく動いているようです。よかったよかった。