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Kernel-Power 41を完治させる【PC修理】

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こんにちは。お久しぶりです。ヌルです。
今回は以前から細々とやっていたパソコンのオーダーメイド製造と、その保守サービスでのお話です。
1ヶ月ほど前に弊社(正確には個人事業主なので”社”ではないのですが)で製造・納品したパソコンを使用されているお客様から「電源が突然落ちる」というご相談を頂きました。色々お話を伺うと

・状況は「電源が瞬時に落ちた後、自動でリブートがかかり正常に起動する」という状態。
・発生頻度はひどい時は1時間で10回くらい。一度も電源が落ちずに普通に使える日もある。
・なぜか夜21時以降に発生することが多い。
GPU(グラフィックボード)に負荷をかけている時に落ちることが多い。

という事でした。業務用途で使用されているPCなのはこちらでも把握しており、早急に直さねばということで即日出張修理に伺うことになりました。

Kernel-Power 41とは

一応事前にWindowsのエラーログを送っていただいていたのでわかっていたのですが、現場でWindowsのエラーログを見てみると同じものが出ました。「Kernel-Power 41」です。
さてこれは何かというと、「原因不明だけど電源が落ちた」ということを報告するエラーです。Windows7以降のWindowsで出てくるようになったエラーで、通称「KP41病」と呼ばれたりもしています。

原因の切り分け

Kernel-Power 41というエラーだけでは原因が分からないので、さらにエラーの内容を深掘りします。
頻発していたKernel-Power 41の詳細を見てみるとBugcheck Codeが0となっています。このバグチェックコードというのは電源が落ちた際,ソフトやハードに何らかのエラーが確認されると値が出てきますが、今回は0となっているためここから解釈できることは「何が原因かを記録する前に電源が落ちてしまった」という事なので、つまるところソフト側の問題ではなくハード側の問題で,しかも停電と同じ状況になっているという事から、電源不良である可能性が今回のケースでは非常に高いと判断しました。

電源不良でかつ電源から供給される電圧が落ちているという不具合の場合はBIOSを確認すると明らかにおかしい値になっている事もあります。(今回は大丈夫ですね)

電源交換

出張修理での対応なので持ってきた新品の電源へ交換します。

(これはプチ自慢ですが弊社は大手では量産が難しい小型でハイスペックなPCに強いので、今回のPCも搭載電源は一般的なATX電源ではなくSFX規格の電源です。)

電源交換の際は電源に接続するプラグインの配線が原因となっている可能性もあるため、同機種の電源を使用するにしても横着はせず、配線も全て交換することをおすすめします。

電源交換後、数種類のストレスチェックを行いましたが無事完走したので修理完了となりました。保証対応とはいえお客様にはご不便をおかけしてしまい申し訳無いです。。

原因の切り分けは冷静に

うちで納めたPCでKernel-Power 41による修理依頼が来たのは数年間で数百台と売ってきて初めてですが(多くは納品前検査で分かるので)、他社製PCでの修理は何度か対応したことがあります。多くの場合は電源が原因で、次点でメモリ故障とUSB接続の機器が原因であることが多い印象です。

また故障機から抜き取った電源を別のマシンで使用してもマシンの構成によっては問題なく使えるケースもあり、これは私の偏見ですが無線LANやBluetoothのモジュールにIntel製のものが搭載されているマシンでこの症状が出ることが多い気がします。
では無線モジュールの故障かというとそういう訳では無く、突き詰めていくと電源周りの何かが原因であることが殆どです。

エラーログやマシンの挙動をよく観察することで必ず完治しますので、焦らずに対応しましょう。ではでは。