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人生詰んだ(通信制)大学生のブログ

高いものを使ったから良いものが作れるわけではない

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 生きていくのは非常にお金がかかります。光熱費も、食費も、日用品も。容量が減って価格据え置きとか、或いは値上がりとか、しかも上げたままずっと値を下げないので私のような貧乏人には非常に厳しい生活の毎日です。
 そんな中で驚くほど値を下げているのは私の居る映像業界の機材です。一昔前まで自主制作映画を撮影しようと思うとハイアマ向け・業務機の入門モデルのビデオカメラで撮っていたものが(それでも60万円くらいしていた)、現在は10万円ちょっと払うだけでシネマカメラと名の付くカメラが手に入ります。特別な編集機を必要とせず、そこそこのスペックのパソコンさえあればノンリニアで編集が出来るようになって、色んな意味で映像というものはリーズナブルになりました。私の知らない映像以外の業界でもこういった現象は起きているはずです。

 ところで機材が安くなるとハイレベルな機材が(ここではカメラを例にしましょう)安く手に入ります。これが原因なのかと言われると半分は合っていて半分はどこか違う問題のような気もしますが、ここ最近今まで出現してこなかった種類の方々と問題が発生しています。具体的にどんな問題かと言うと「全部機材のせいにする人」です。
考えていた画が思い通り撮れない、思ったより画質が悪い、使いづらい、レンジが狭い(記録出来る色の幅が狭い)、その他諸々。若い人*1を中心によく聞きます。しかしそういった人たちが例えば10万円のカメラから50万円のカメラに買い換えた所で文句は減りません。
 先に書いた人たちの大半は「安いカメラは(性能が)悪いカメラだ」と思っています。しかし本当にそうでしょうか。バラエティのサブカメラには電器屋で普通に売っているSONYのハンディカムを使用しているし、安いから使えないというのはこじつけのように聞こえます。更に掘り下げるとその大半は機材の選択ミスをしている場合が多いように感じます。
具体例を挙げると、例えば夜間の撮影で照明を十分に手配できない環境での撮影なのに感度の悪い(元々明るく写らない)カメラと暗いレンズをセットで手配した、とかそういう事です。しかし明るく写そうと思えばノイズと引き換えに画は明るく出来ます。これが許されるは何としてでも画を映さないといけない報道、画質を重視しないバラエティ等です。ドラマや映画ではアウトです。こういう選択ミスを機材のせいにする人はたくさんいます。
では何故そういった事が起こるのか。色々考えられますが、
・勉強不足
・機材に興味がない
・普段からそういう性格の人
が多いかなと思います。

 この中でまず勉強不足の人の話をしましょう。機材に興味がない人と、いつもやっつけ仕事しかしない性格の人は論外です。(マジで迷惑なので)仕事を辞めてください。勉強不足の人で多いのは「高いカメラはなんでも出来る」と思っている人です。そんな事はありませんよね。逆に安いカメラでは何にも出来ないのかと言うとそれも違います。要は適材適所、それを判断するのにはやはり機材に実際に触ってみて、映像を試しに撮ってみて、仕様表ともにらめっこして、色んなカメラと比較する必要があります。どんなプロファイルが撮影に適すのかも考えたほうが良いでしょう。しっかりと予習しておけば使いづらいとか、思っていたのと違うという事態は回避できることが大半です。
 昔と違って一つのカメラの機能をフルに使うという事が減ってきた今、機材の特徴や特性、持たされた性能、どういう挙動をするカメラなのかをしっかりと把握する人間は減ってきているような気がします。偉そうな事を書いている私も、じゃあ手持ちの機材の事を全部分かっているかと言うとそうではありません。しかし知っておいて損のない情報は説明書とその外に沢山あります。出来る限り沢山の情報や経験を持ちましょう。ほんの少し設定を変えるだけで吐き出す画は変わり、カメラを使用する環境を少し変えてあげるだけで後々自分を助けてくれる画になったりするものです。カメラだけでなく編集もかじるとか、照明も知っておくとか、海外の情報も定期的に仕入れるともっと広い考え方を持って撮影に臨めます。

 なんでもかんでも人や機材、環境のせいにしている人は本当に成長しません。大半は勉強して腕を上げる事で解決します *2本当にそのカメラで事足りませんか?入学式シーズン、なんとなくでカメラを買い換えようとしている方、よくお考えください。カメラが泣いてますよ。

*1:私の方がずっと若いけど

*2:月間HD Usersというビデオカメラマン方々が昔配信していた番組で非常に腑に落ちる話が出たことがあります。HXR-MC2000Jという中身は民生機、外見は業務機という”ハリボテカメラ”と言われていたカメラについて話されていた回で、「筐体の見た目=プロでは無くなってきている」「何でも出来ると思って買うと厳しいカメラ」「見かけよりは頑張っているカメラでちゃんと撮れる。撮れないのはあなたのせいです」「今まではハンディカムみたいな小さいカメラの操作性が悪かったのが言い訳になっていたけど、この形(ショルダー)になって操作性が改善されるとあと残っているのはカメラマン腕の問題」というような話が出ていました。かなり強引に解釈をすると、民生機でも使い所選んで上手く撮れるのがプロ。民生機であることを理由に上手く撮れなければ機材を良いものに買い替えても腕の問題はずっとついて回る、という事です。これはいつも頭の片隅に教訓として置いています。